2016-02-20から1日間の記事一覧

その35:サイコキネティック痴漢技術総合研究所

世界がなくなるところだった、と総一郎は思った。 怜が、回し蹴りでジョニーXLの巨大化した肉体を蹴り上げ突入してきた落下傘部隊と武装ヘリの機関銃掃射の中を二人で駆け抜けた。 スペッキヲがどうなったのか、それを確認している余裕はない。 バイクに似た…

その34:サイコキネティック痴漢技術総合研究所

次の瞬間、目の前にジョニーXLが出現していた。 彼はスペッキヲと怜をふう、と吸い込んで巨大化を遂げる。 総一郎は、ただ単に「あっ」と言うだけで何もできなかった。 何をやっているんだ、なぜここに出てきた。大変にマズい状況だった。 ジョニーXLは、ニ…

その33:サイコキネティック痴漢技術総合研究所

怜は、その記憶の中で禍々しく光るぬらぬらとした漆黒の巨魁と対峙していた。 それは地上から火星まで届くような長大な長さの大蛇のような巨魁だった。 邪龍は、竜巻をまといながら急に地上に降臨し、周辺を一瞬のうちにクレーターに変えた。 残された猫の額…

その32:サイコキネティック痴漢技術総合研究所

スペッキヲが奇妙な組織の取りまとめ役であることを総一郎はそこで初めて知った。 ドーム状の空間を犇めく機械類は公安の管区の通信傍受とその分析に使われている。 世界中につながっているインターネットは実は物理的にはもっと単純なトポロジーを持ってい…

その31:サイコキネティック痴漢技術総合研究所

ドアを抜けた先に、エレベーターがあった。地下666階しか行き先が選べない。二人はそれを押した。 重力が少しずつ緩む。 「この表示が確かなら、このエレベーターもまた我々をしばらくの間軟禁状態にするのだろうか」 「そうかもしれません。そしてこの籠…

その30:サイコキネティック痴漢技術総合研究所

「やれやれ......」 総一郎はそのうち何とかなるだろうという風に考える事にした。 スペッキヲは何かを準備するために奥に消えただけで、すぐ戻ってきてドアは空くのだ、という風に。 だからおとなしく行儀よくしていれば、いいだけだと。 10分が過ぎ、2…

その29:サイコキネティック痴漢技術総合研究所

工藤怜は、スペッキヲが自分の弟であることを知らなかった。そして本人に会ってさえそのことに気づかないようだった。 スペッキヲは、黒曜石を散りばめた自分のオフィスを海浜幕張に構えている。 太い道路が交差し、マンモスのような巨大なビルがそびえてい…

その28:サイコキネティック痴漢技術総合研究所

スペッキヲは一筋縄では行かない曲者だった。彼は常に相手を試し、彼の期待に応えない事にはすべてが四散するような仕掛けを アウトプットに添えてくる。 如何なる責任も巧妙に回避する彼の要求だけをなぜか黙認せざるを得ない。彼を雇ってしまったことが罠…

その27:サイコキネティック痴漢技術総合研究所

スペッキヲをリクルートする過程で、倉橋総一郎はリクルーティングについて生まれて初めて考える羽目になった。 まず、笈菱グループの中に必要な人材を探すことは難しいと思われた。 彼らは向こう半年まで分刻みのスケジュールを埋めきっている。そこから先…