2016-03-19から1日間の記事一覧

その74:サイコキネティック痴漢技術総合研究所

見れば、その相手は、工藤怜と瓜二つの相貌をしていた。 それどころか、黒い鉄塊に管で結び付けられた無数の死体のどれもが、怜と同じ顔をした死体だった。 一瞬、重力がどうかなってしまったかのように怜は立っていられなくなった。 --なんだこれは、どうし…

その73:サイコキネティック痴漢技術総合研究所

その黒光りする禍々しい筐体が姿を現したのはまさにその時だった。 急に、俊介=総一郎のチラチラとした舌先の突端が、空間の裂け目に触れ、 爆発が起きたのだ。 その爆発が、虚数空間の重力を再び反転させ、眼前に屹立してきたのがその黒光りする巨大な鉄塊…

その72:サイコキネティック痴漢技術総合研究所

俊介の鼻は天狗のように長く変形していた。 怜は震えながらも、なすがままに力なくへたり込んでしまう。 俊介という人物が、本当にこんな人物だったのだろうか。 消された記憶のかすかな記憶をたどっても、その手掛かりは虚空に途切れてしまう。 俊介は怜を…

その71:サイコキネティック痴漢技術総合研究所

見たこともない、巨大な花が咲いていた。 花は眼前でみるみる内に巨大な花弁を広げていき、傍らにいる人間が見る見るうちに老衰していく。 まるで人間が植物になり花が動物になったかのように思えた。 人が枯れ草のように枯れていく。その精気も体力も枯れ衰…

その70:サイコキネティック痴漢技術総合研究所

ひび割れた乾いた灰色の大地と黒い空だけが広がっている。その景色はどこか月面のようにも見えた。 あらゆる生命の気配がない。自分すらも、存在しない。 光が滝のように空間を跳ねている。虹がすべてを葬りさっていったのだと怜はなぜか思う。 世界は一斉に…

その69:サイコキネティック痴漢技術総合研究所

その扉を開けた瞬間、工藤怜の耳は、常ならざる音を聞き分けた。 超音波的な周期を持った何かしらのノイズだ。 辺りは闇に包まれ、暗視ゴーグルは黒い闇の中に何かが緑色に光っているのを捉える。地下牢に似た景色をかすかに捉えていた。 その奥に果てしない…

その68:サイコキネティック痴漢技術総合研究所

港区の虎ノ門交差点から千代田区の日比谷交差点までの約1.5kmの地下にライフラインネットワークを整備するためのトンネル工事。 その建築現場を一般公開する実験は、かつて東京ジオサイトプロジェクトとしてその名を知られた。 地底に設けられた音楽堂。その…