2016-04-09から1日間の記事一覧

その109:サイコキネティック痴漢技術総合研究所

筱宮厳についての話をしよう。彼は、気難しい男だった。要するに、ありとあらゆるものについてダメだダメだと言っている男だったのだ。 何か口を開けば聞く前からその中身は決まっていた。何かを評論家気取りでダメ出しし始める。 そうすることによって、彼…

その108:サイコキネティック痴漢技術総合研究所

トンネルの中で、スペッキヲは声を聴いた。 その声は、どこかしら工藤怜に似ていて、高いような低いようなしかし押し殺したようなところのある強い声だった。 声は訴えていた。ダメなやり方を力技で軟着陸させつづけるぐらいなら、早く失敗して、そのやり方…

その107:サイコキネティック痴漢技術総合研究所

夜の歓楽街を徘徊しながら(それはほとんど道に迷っているに等しく思われた)先輩から聞かされた話が色々あったようだが、 酔っていたせいかその話はほとんど思い出せない。ただ、先輩も、あるいはほかのメンバーも、みなリアルを楽しんでよろしくやっている…

その110:サイコキネティック痴漢技術総合研究所

千葉県の20年がかりの都市再開発計画。1号市街地とされたエリアから、複数名の少女たちが姿を消した、と倉橋総一郎は言った。 拉致されたのか、単に家出しただけなのか。それははっきりしない。 忽然と姿を消し、連絡がとれない。ケータイはすべて圏外にな…

その106:サイコキネティック痴漢技術総合研究所

新年度が始まり、大勢の新卒者達が入社してきて研修を受けていた。 どこかしら先輩らよりももっと大人びて見えるようなその若者たち。だが、誰もがみな昔はそう見られていたものだった。 ホテルのバーを貸し切って行われたその懇親会は、会場がすし詰めすぎ…