何が賃金水準を決めるのかという話


僕は今まで、賃金水準というのは、その仕事に要求される専門教育の質と期間によって決まるもんだと、素朴に考えてきた。
いや、そうでなかったとしたら、我々が学校に払った学費はどうなるのだとさえ思う。
かかった教育費の分だけ、賃金が高くなければ納得がいかない。そうして現に、多くの企業では高卒、大卒、大学院卒で賃金が分かれ、
損した学費の元をとれるようになっている。


だが、世の中はそんな単純ではなかった。
デリヘル嬢は高卒で壮絶な時給を稼いでいたし、一方では、ベトナムやらタイへ行くと同じ仕事をして日本と同じ賃金をもらうことは難しい。
風俗は危険で働き手も限られているからデリヘル嬢が辞めないように、料金をある程度高くしてでも、給料を高くしなきゃいけない。
ベトナムやらタイではがんばっても日本と同じだけ稼げないが、物価が低いから生活できる。
でも日本はどうして、ベトナムやらタイより物価が高いのだろう?
需要と供給の問題として単純に考えると、モノの値段を高くしても売れるから物価が高くなったんじゃないかな?
日本ではものの値段を高くしても売れて、ベトナムやタイではそうならない理由は、日本はベトナムやタイより金を持ってるからだ。
なぜ日本はカネを持っているのだろう?それは日本が加工貿易で外貨をたっぷり稼いだから、
つまり日本の電化製品や車が海外で沢山うれているからだと思う。
安い経費で高いものを作って売ることができると、それだけ儲けがでるわけだけど、トヨタやらソニーやらはそれを徹底して稼いだ。
こうしてそういった製造業がもうかった分は、国内のいろいろなサービスや商品の消費へと使われることになるから、
それにつれて他の仕事をしている日本のほかの人たちも儲かるようになって、物価が上がる。
つまり儲けた製造業の人たちの消費による所得の還元によって国内の物価があがった。
そんで物価があがると、賃金も上がる。生活できないような賃金では、働き手を確保できなくなるからね。


まあこういう話とはまだ別に、
誰でもできる仕事/出来る人が少ない仕事、とか、みんなやりたがる仕事/みんなが嫌がる仕事
というような要因もあって、いくらでも替えが利く楽チンな仕事は賃金が安くなり、誰もやりたがらずできる人も少ない仕事は賃金が高くしないと
人が見つからず雇った人材に逃げられたりするとかもある。


んなふうに考えてみると、賃金というのはようするに、
その仕事にその賃金を提示しといたら、何人やりたがって何人辞めていくか、必要な能力を持った人材が残る最低ラインはどこなのか
ってことで決まるような気もした。そうすると使い捨て労働者だけで回る業種と、稀な才能が要求される労働者だけで回る業種ってのは
必要な人材をキープするために提示できる額が違うから、職業間の所得格差ってのがあるんだと考えられるけれども、
能力云々才能云々だけでなく、既得権益を持ってる業種は同じ仕事しててもでもあっちの社員より高所得とか色々あって、
まあなんか一概に言えない。
1000人の企業があったとして、ある別の会社が100人で前者の会社と同じサービスを提供できるとしたら、
後者の会社の人は前者の会社の10倍ぐらいの所得を得てよくなるように見える。
でも、普通は社員一人ひとりに10倍の給料を払っても社員が出来る仕事までは増えないから、大抵は出来る仕事が
増やせる設備投資や人員増強にお金が回るよね。
賃金を増やせば増やすほど人の生産性があがるということはないけど、設備投資は増やせば増やすほど生産性があがることが多いからね。
これはつまり、賃金って自分たちの生産性で決まるんじゃないってことだよね。
賃金はやっぱりある程度相場と、その仕事が人間に頼る度合いに応じて決まるんじゃないかな。その相場を決めるのが、その社会の物価で、
物価は外需で獲得された外貨で日本人の財布がパンパンになり需要が増えると上がり、
アジア製の安い商品が供給されることで下がるんだと思う。


参考:
http://d.hatena.ne.jp/wlj-Friday/20070213/p1
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/cd4e52fd7cca96ac71d0841c5da0cb75
http://d.hatena.ne.jp/fromdusktildawn/20070215/1171504603