Re: 「SI業界もネット業界も世界に打って出られない理由」

SI業界だけでなくネットも状況はあまり変わらず、シリコンバレーYoutubeTwitterのような無謀ベンチャーを起業できるのは、ベンチャーに飛び込む世界中の優秀な若手がいて、Microsoft, Yahoo!, Googleといった買い手があって、ともかく技術を磨いて利用者を抱え、トップノッチで居続ければexit planを立てられるからである。彼らが欲しいのは技術や知的財産、ユーザーベースであって従業員とか既存の製品ラインじゃない場合が多いから、日本のように整理解雇4条件が厳しく、わがままな顧客を抱えているところには手を出し難い。そしてexit planが立たなければリスクマネーが流れてこない訳で、畢竟、日銭を追わざるを得ないのである。

それに限らず日本の場合は空気を読まないと産官からあの手この手で潰されるし、投資家も顧客企業もチキンだし、いくつか安定顧客を抱えながら収支をバランスさせる経営戦略でなければリスクをヘッジできず、そういうオーバーヘッドを抱えたまま、無謀を許され成長に応じた人材を容易に調達できるシリコンバレー組とグローバルで伍するのは極めて難しいのではないか。

結局のところ日本は米国の背中を追って通信や金融を自由化し、行政から予算と裁量を奪ったものの、雇用は自由化できなかったから、従前のような官製談合で需要を均衡させることができないまま、民間企業に雇用義務だけを課すようになり、活力を大きく削いでしまった。そして資本市場にカネが流れ込んでも、労働市場に厚みができなかったせいで、期待されたほどの技術ベンチャーも育たなかった。

これは政策の失敗だから本来は役所がケジメをつけるべき問題なのだが、数年前から自由化疲れというかフレームワーク派の多くが夢破れて下野したというか、旧き良き開発主義に回帰しようとして「歴史は二度繰り返す。 一度目は悲劇として、二度目は喜劇として」 というマルクスの言葉を地でいっている。もはや大後悔している暇などないのに。

http://d.hatena.ne.jp/mkusunok/20080510/sic


・ようするにホリエモンがハデにコケてしまって以来、日本でITベンチャーが成功する希望は潰えたんじゃないだろうか。
ホリエモン的なものを潰してしまう風土がある分だけ、日本はシリコンバレーよりはるかに不利なんだと思う。


・ゲーム業界は世界に打って出られたけれど、
それはハードやフレームワークのスタンダードが国内の企業の手中にあったからで、
IT業界のように、米国の基準=国際標準となっている状況で、
あちらのルールで勝負させられるよりはるかに有利だったためだと思う。


・単純に海外で勝負したいなら、国内の大手企業がシリコンバレーの才能を大勢かこいこんで向こうに
現地精鋭部隊をそろえた現地法人をつくれば
いいだけのような気がするけれど、はてながある意味失敗したように、
シリコンバレーの才能が結集するだけの魅力を持つためには、
国内企業の持っているリソースは少なすぎる。シリコンバレーの他企業よりも魅力的な職場環境を用意できるとは
考えられないし、国内市場以外の部分で握っている既得権益も乏しい。


・米国がルールを握っていないような市場で、代替不可能な理想的ルールを勝手に立てて、
全員がその上で勝負せざるをえないような枠組みを強いてしまった上でそれをオープンにしてシリコンバレー
才能に提供していくという風にやってうまくいけば、その市場を握ることはできるのではないかと思うけれど、
それはネットの市場ではないと思う。でもGoogleがケータイ用のOS「android」でたくらんでいるのはそういう
ことなのかもしれない。そういうことをやる戦略的企画力を日本の大企業も持たないと簡単に負けると思う。