なるほど図解 IFRSのしくみ

なるほど図解 IFRSのしくみ (CK BOOKS)

なるほど図解 IFRSのしくみ (CK BOOKS)

国際会計基準審査会(IASB)が設定する国際財務報告基準(IFRS)について分かりやすく図説してくれる本だった。
日本の会計基準設定主体である企業会計基準委員会(ASBJ)はIASBと会計基準の全面共通化を合意しており、
2011年6月末までにIFRSとの違いを解消すると、2007年8月8日に発表している。
IFRSを自国の会計基準として採用している国は100カ国以上に及んでいるので、これによって
会計基準のグローバルな統一化が進むことになるのだと思う。
IFRS会計基準なので、経理・会計業務に影響を与えているはずである。
実際、財務諸表などの名目も、日本の従来の基準とは異なっているし、
経済実態・包括利益貸借対照表重視という特徴も、今までのやり方とは少し違う部分があるだろう。
具体的になにがどう違うのかということが、細かく本文中に解説されている。
いくつか興味があった点でいうと、
関連会社に対する会計処理は、議決権の20%以上を保有しているかということと経営陣の人事交流などの影響力
の有無に注目した上で、影響力が有る場合は持株法にしたがって会計処理するという点。
持株法を適用すると、例えばあるA社とその関連会社でA社の影響力下にあるB社の間での取引は、
連結決算の会計上、相殺されてしまうのではないだろうか?もう少し詳しく調べてみる必要があるかもしれない。
また、減価償却についても考え方が異なっていて、
日本基準だと税法上例えば飛行機は飛行機として一括で償却を考えるが、IFRSの考え方は
機体とエンジンの経済的耐用年数が異なると考えられて個別に減価償却する必要がある資産だということに
なってしまう場合があるようだ。
あるいは工事契約の会計処理も、進捗度が信頼性を持って見積もれる場合、工事収益と工事原価を
進捗率を掛けて計上するらしい。進行基準をつかう基準である工事契約に関する会計基準企業会計基準第15号)は
IFRSを待たずして2009年4月1から適用されている。
進捗度が信頼性を持って見積もれない場合、この工事契約基準だと完成基準を適用するようなのだがIFRSだと
回収可能と判断できる収益のみを計上するという違いがあるようだ。
工事と言うのは、検収が終わらないと費用が発生しないという認識でいる私には、
工事自体でどうやって工事収益や回収可能な収益が発生するのだろう、と思った。
これは発注側ではなく、受注側から見たときの工事契約の会計処理の話をしているのかもしれない。