トコトンやさしい作業改善の本

トコトンやさしい作業改善の本 (B&Tブックス―今日からモノ知りシリーズ)

トコトンやさしい作業改善の本 (B&Tブックス―今日からモノ知りシリーズ)

トヨタの生産方式をベースにした作業改善の本。
企業は社会的責任(CSR)を果たしつつ、存続のために利益を追求しなければならない。
利益とは売上と原価の差だ。だから利益を上げたければ売上を増やすか原価を下げる。
売上を増やすには客を増やすか、値段を上げる。原価を下げるには材料費を下げるか人件費を下げる。
しかし生産方式に無駄があるなら、その無駄を減らすことでも原価は下げられるだろう。
トヨタがやったのは無駄をなくす生産方式だ。
良いものさえ作れば売れると勝手に思い込んで、実は売れもしないものを作ってしまうと、
製品の行き場はお客ではなく在庫置き場だ。うれないものを大量に作っていたのでは
利益は生まれない。利益を生まないという意味ではどれだけ苦労しようが仕事をしていないということである。
トヨタが考えたのは同じ設備、同じ材料で同じような製品を作っていても、他社よりもいいものを無駄なく
作り出せるような生産方式である。それが、「ジャスト・イン・タイム」と「自動化」だ。
必要なときに必要なものを必要なだけつくったり運んだりするのがジャストインタイムで、
これは「後工程が前工程に必要なものを必要なときに必要なだけとりにいく」ことで実現する。
「前工程は、引き取られた分だけつくる」。作りすぎの無駄がなくなるので、意味の無い作業をなくせる。
無駄は早すぎることと遅すぎること両方から生じる。早すぎれば無駄な在庫が発生し、遅すぎれば後工程に影響を与える。
そのために後工程が前工程にジャストインタイムで取りに行くワークフローになっている。
トヨタの品質保証の考え方も興味深い。


  ・品質は工程で作りこむ
  ・検査で品質はよくならない
  ・全数を保障する
  ・5WHY(5段階のなぜの深堀り)で真因を追究する


検査で品質はよくならない、というのは重要だ。検査はそれを通過したモノの品質を保証し、
不良品を取り除ける工程だが、検査がものの品質を上げるのではない。検査した前と後で
ものの品質が変わるわけではない。不良品が検査を通らないだけであって、検査することで
不良品が適合品になるわけではないのだ。そして検査が品質をあげるわけではないので、
工程で作りこむことで品質を高め、検査の回数を減らすアプローチをとっている。


重要なのは、このやり方が絶対だ、というやり方を貫くことではなく
常にもっと賢いやり方を求めて改善策を試し続けて進化していくことだ。
そこで、作業改善の進め方として6つのステップを捉えている。


  1.着眼(問題点をみつける)
  2.調査(現状をしらべる)
  3.原因追求(事実について考える)
  4.着想と評価(アイデアを出す具体案づくり)
  5.改善案の実施(新方法の徹底と指導教育)
  6.フォロー(効果を確認する)


これはコンサルがいうところのまさにPDCAサイクルを細分化したステップになっていると思う。