クリスタル・クレバス出版しました

内容紹介

 六次の隔たり(Six Degrees of Separation)仮説と呼ばれる仮説がある。
知り合いの知り合い、そのまた知り合い……という風に辿っていくと、平均6人目までで、世界の誰とでも知り合いになれるという仮説である。
信じられない、と私は思っていた。あの日、彼と偶然めぐりあうまでは……。


 世界の富の合計は2京3400兆円(241兆ドル)を突破。
 世界人口は70億人を突破した。
 世界人口の1パーセント未満の超富裕層が、世界の富の約半分を保有している。
 世界人口の70パーセントは、資産が100万円に満たない。


 もし、70億人すべてに、世界の富を公平に分配しなおした場合、1人当たりの取り分は334万円となる。
 難病に苦しむアフリカの難民も、東京のビジネスマンも、皆1人当たり、334万円である。


 やがて世界経済の再起動を実現するための匿名の秘密結社が現れる。
"人類解放の翼"を名乗る彼らは、政府、企業、宗教などに関する機密情報を公開するウィキリークスや、
情報の自由に対する脅威に対して大規模なハッキングを行うアノニマスオープンソース運動、クリエイティヴ・コモンズなどの運動を母体とする。


 資本主義経済の本質は自由にある、と彼らは考える。行き過ぎた格差を生まない制度の上で、資本主義経済を再起動しようとする。
その革命の為に、彼らは手段を選ばずに手を汚した。世界194カ国の政財界、宗教、マスメディア等に内通者を送り込み、あるいは内部に協力者を作る。
内部告発で周囲や上部を失脚させながら、彼らは徐々に世界各国の中枢に入り込み社会の上層部を、あくまで合法的な手段で乗っ取っていく。


 その革命の指導者は、私の良く知っている男だった。


 来年の4月に、誰もの資産が300万円になる。これまでの紙幣や硬貨は使えなくなり、新しい通貨が300万円分入金される。
所得税贈与税相続税著作権法特許法、商法、さまざまな規制が一気に変わる。
全世界で同時に一律の税制や規制が敷かれ、タックスヘイブンなどが無くなる。すでに国会周辺ではデモが起こり始めていた。


 彼は何故、革命を志し、そして変革は世界に何をもたらすのだろうか?


武装の全世界同時革命を描いた物語です。
陰謀論的な手法を逆手に取って同じメソッドとネットを使って暴露と内部告発で内部からあらゆる組織を変えていく匿名集団による革命。
一方ではこれは、人間ドラマでもあります。複雑な環境を生きる若者が現実にあがきながら自分の中の”動機”に気づいていく物語でもあります。