その54:サイコキネティック痴漢技術総合研究所


 五十貝きみ子が、いつも口にする言葉があった。
「あなたは、どんな人生を送りたいですか? みんなの暮らしの中に、驚きと感動を生み出すために何ができるか、一緒に考えてみませんか」


 最初は誰もが口を開けて唖然としている。だが、その対話の中で、きみ子はいつも相手の意見を取り入れ、そして相手に今ままで考えたこともなかったような事を理解させ、
やがて相手は満足して喜々として彼女と運命を共にしようとする。


 そこには何かがあった。カリスマ性としか言いようがない何かがあった。
五十貝きみ子は、ただの薄幸の美人ではない。銀座のホステスになろうが、丸の内OLになろうが、芸能人になろうが、女子プロレスラーになろうが、
どんな世界で何になろうが、他人を巻き込み、その中心で活躍していくことにならざるを得ないような、不思議な性格が備わっている。
その一方では、どこか薄幸の苦労人のような雰囲気もある。


 その秘密を、スペッキヲは知りたがっていた。
そしてそれは、彼にとっては新しい世界へと導く虹の輝きを持った階段となるのかもしれなかった。