その55:サイコキネティック痴漢技術総合研究所


 ギガビット・エンタープライゼスの社員は、誰もが頭のいいレスラーか、あるいはキャバ嬢のような雰囲気をたたえた極めて競争的なメンバーが多かった。
そういう人間を選りすぐってはいないようだが、結果として生き残れるのが今はそういうタイプだったということなのだ。
 そこを抜け出した者がいうには、当時大株主の一角に、とある政治家の系列の団体が関与しているとか、その背後にある暴力団ともつながりが疑われて
別のルートで支援を受けているのだ、とか様々な噂が絶えなかったらしい。それが表に広まらないだけでなく、新社長の結婚式に現総理大臣が参列するなど
多種多様な期待とパワーをありとあらゆる方面に向かって伸ばしている。
 ニーチェのいうところの力への意志を健全に伸ばした結果として、レスラーとキャバ嬢たちが、金と権力と欲望を追求するアグレッシヴな社風が生まれたのであろうか。
結果として今でも業績を伸ばし続けている。
 そうであるがゆえにそこで戦うことは、やりがいを生み続けているのかもしれない。
五十貝きみ子は、そんな中で一見、異才を放つ存在ではあった。
その中枢に影響を与える存在でありながらも、きみ子には異才があった。