その56:サイコキネティック痴漢技術総合研究所


 ギガビット・エンタープライゼスで生き残れるかどうかを左右するもう一つの能力がある。
それは、見積能力である。
 ある目的があり、それを実現するための作業が存在する。
 その時、それを実現したい期日もまた存在する。
ここで、発生する作業にかかる工数がどれだけになるのかを正確に見積もれる能力が重要になる。
そしてそのためには、その作業が具体的にはどういう作業群から成り立っているのかを分解し、一つ一つの具体的な作業を取り出し、それらに掛かる所要時間を積み上げた
作業時間の合計がどれだけになるのかを計算するための、経験則の精度が重要になる。
どの練度の誰に振ると、その工数は何割増しになるのかなど個別の条件を踏まえた上で、万が一のバッファを積み、いったいどのくらいの規模のチームであれば
それだけの作業を期日までに仕上げられるだろうか?


 あるいはまた、個々のメンバー各自にも、自分に振られたタスクのそれぞれが、日々どの時点でどの状態まで来ている必要があり、そのために昨日、今日、明日は
どこまで達成できれていればオンスケなのかを見積もりながら自分自身の予定を調整していくスキルが求められる。
 -- 間に合わなくなっている状態で走り続けて、アラートも上げずに最後の最後に間に合わないけど帰りますといわれれば、また”光過敏室”の候補者が増えたことになるだけなのだ。
間に合わなければ、早い段階でアラートを上げれば、増員が可能だし要員を変化させることもできる。
間に合わなくなっているかどうかを早い段階で各自が判断できるために、各自にも見積能力が必要とされている。
その能力が高い人間は、重宝される。自分自身に無理のないワークライフバランスを獲得しながら、無理なく成果を積むこともできる。
日々の進捗管理は、そのために実施されている。
各自の見積能力の高さが前提になっている。このままでいいのかどうかを各自が判断でき、アラートを早くあげられることを前提に運営されている。
それを理解することも含め、ここでのサバイバル能力なのであった。