その114:サイコキネティック痴漢技術総合研究所

 小僧はほどほどに賢く、自分は被害者だという風に自分に言い聞かせてそういう演技を貫こうという構えであった。
ゆきにもそれは分かっていたが、そんなことでなんとかなると思っている小僧がどこか心配だった。
このままで彼は、生きていけるだろうか。


「ねえゆき、とりあえずコイツの家を聞いて、親御さんに説明だけしなよ」ときららが言った。


 しばらく考えていたが、ゆきは首を振ってうつむいた。
それで彼が叱られるのか、それともそうでもないのか、それはよくわからない。そしてその両親が納得するのかどうかもよくわからない。
パンツを弁償しますといわれてお金を渡されて終わりになるだけなのかもしれない。
あるいは、うちの子はそんなことしないと言われて激怒されヒステリックに追い返されるだけなのかもしれない。


「......ねえどうすんの?」
 きららはうつむいている小僧とゆきとを見比べて、肩をすくめる。
「まあ入んなよ。とりあえずゆっくり考えよう。あんた時間大丈夫なんでしょ? スリッパ好きなの使ってね」
 小僧は羊のスリッパを履いた。
中は化粧品や衣類、ファッション雑誌などなどが散乱していた。片づけながら、何とか座れる場所を作り、クッションを並べる。
「......ポテチとコーラ、買ってくるね」
「あ、だったらイレブンのおいなりさんもお願い」