おれが一番恐れている事はそれではない



本当は、自分が蹴落とされる悪夢を振りほどきたいだけなのかもしれない。
自分はだれも蹴落としたりはしないというパフォーマンスを演じながら、
一方ではギアをどんどん上げて、最後尾からどんどん前方を煽って追いつかねばならないという焦燥感に駆り立てられてもいるだろう。
振り切られるぐらいなら、油断させておいて安全圏まで追いつきたい。
”それがおまえの本心だ”と誰かが言ったとして、今や自分にとってその説得力は否定できない。
であるなら、おれは一体、何を悩んでいたのだろう。
分からない。
自分がそういう人間なんだと納得できさえすれば、もうこれ以上苦しむ必要はないのかもしれない。