戦争が終わり、はたして今や誰も犠牲にならずに生きられる時代が来たといえるのか



全員分のパイがそろうためには、
全員がそれぞれ、自分の分け前分の代償を払っていなければならない。
相乗効果によって、一人ひとりが独力で自前のパイの切れはしを得るよりそれは効果的に可能になるはずだった。


しかし、誰もかれもがうまくやっていけるわけではない。
調子には波があるし、貧乏くじとしかいいようのない引きの悪さもくる。


自分の取り分の分はもう達した、というだけで誰もがステージを降りていったら、
パイは足りないままになる。
そうやって降りていった人のパイが足りない時に、人知れずその分の労力を果たした人の貸しが
哀しい蜃気楼のように揺れている。


誰でもそれには気づいている。
誰かが悪いというのは簡単で、自分が悪いというのも卑屈なだけ。


しかたのないことも、世の中にはある。
絶えられる人が絶え、そう思えないなら、そう思う必要はないのかもしれない。相乗効果が生まれる仕組みを上手く使えなかった、というだけなのだろうか。
それは分からない。難しい、とても難しい問題である気がする。