昔のできごとと


 自分が相手の力を頼り続けなければならない別の時期のことも思い出す。
 その頃は、自分が恩返しできないことが、つらかった。
その頃出来なかったことを、まったく別人に対してずっとやってしまった。
でも、それは別人なのだから、相手を、あの頃の自分のような気持にさせてしまうだけだったのかもしれない。


 二つの出来事で自分は満足できたかもしれないが、それぞれの中で別々の人々を一方的に頼ったりおせっかいを焼いたり
してしまっただけだった。


 あの人も、あのような状況でいてすら、人を頼らなかった。それは、自分が人を必要とするというよりは
人に必要とされることを求めていたからだと思う。稼ぎ頭であることとか、優秀であることとかをアピールして
期待され、必要とされることを求めていた。にもかかわらず、そういう「必要とされているということ」ではないものばかり投げつけて
一方的な関係になって誤解していることに自分では気づいてなかった。


「必要とされたい」と思っている人に対して別の「必要とされたい」と思っている人が相手を「何かを必要としている」人だと思って、
「何か」を与えても、それが相手の求めている「誰かに必要とされる」ということではない以上は
お互いの満足ではなく片方の満足しか生まれない。


相手を対等だと思っていないような、壁が生まれ、そこからは心地よい関係は築かれて行かない。
そういうことなのだと思う。