ランチ

 大学生ぐらいのころからずっとそうだったけれど、私は人と飯食うことを避けていた。
 ボッチ飯という言葉が流行るより前から、私はボッチ飯かつ孤独のグルメという感じだった。そしてそのことを不幸だと思ったことがなかった。便所飯というものがある。一人で飯食う姿を人に見せたくない、一人飯は痛々しい、不幸だ、負け組だ、という感受性だという。

 例え自分は気にしていないというつもりでいても、一人で飯を食いたがっていると、ストレスをさけているつもりでも実際には色々なストレスが増える。飯を食いながら耳にいれておけばよかった話が通りにくくなる。必要以上に距離ができてしまう。そういうところで、仕事に無用な壁がうまれてしまうということもある。

 職場の人と飯を食うのはいいことだ。ランチで話す話題を考えるのもいい。泣き言や調子の良いこともいえるようにしておくのがいい。職場というのは実際には一つのコミュニティである。コミュニティそのものを暖めてもりあげていけるかどうかは、それぞれがいかにつながっていけるかにかかっている。つながりがコミュニティを生む。生まれたコミュニティはシーンになる。シーンが見えるから、ムードはうまれる。コミュニティがなければ、シーンは成立しないのである。そしてシーンがなければ、盛り上りが生まれる場もまた存在できないのだ。