息苦しさを感じて

 息苦しさを感じて、ぼくは寝返りをうつ。列車はインド北西部パンジャーブ州あたりに差し掛かっている。乗客とみなされなかったぼくは、貨物用の荷台に上げられ、旅行鞄の間に押し込められて気を失った。

 見知らぬ他人の子供に対して、特にかわいげのない異邦人であるぼくにたいして、人々は物を見るようなまなざしを向け、乱暴に接するのだった。人ごみの中で人々は談笑していた。しかしぼくはその言葉を知らなかった。孤独を感じ、異邦人である自分の身を恥じて、自分を物だと理解した。乗客が持ち込んだ子犬が、ぼくに小便をした。犬は弱い人間を見抜くのが得意なのだろうか。

 荷物カバンの中から、皿のようなものがはみ出ているのを見つけた。知らないうちに皿が割れた。ぼくが割ったのだろう。知らないうちに、犬は死んだ。

 

 髪をつかまれ、ぼくは引きずり出された。クシャトリヤの骨董市場に運ばれていた皿が割れていて、傍らには犬の死体と小便小僧がいた。商人の怒りは収まらなかった。ぼくを代わりに売りに出すということなのだろうか。