規律

 自分は規律を必要とする、と思う。
 自分はどこまでも怠惰で、どこまでも甘えて堕落していける。どれほどの堕落なら許容できるかという防衛線。自分にとってそれは、それだけでは堕落すればするほど、自分に甘く緩んで、果てしない堕落を許していくような強度しかない頼りなく細い線だから、それを補強する規律で支えられている必要があるのだと思う。


 規律を与えてくれるのは、世間の目だった。
 だが何が世間なのかは、心の目次第であった。本当の規律とはなんだろう。イマニエル・カントはそれを消去法的に発掘したのだと思うけれど、その答えは私にはあまりにも難しすぎたのだ。