ふとした空白

 前監督の降板の傷を忘れさせてくれる活躍ぶりだったワールドカップ日本代表は、ベルギー戦で敗退したという。
 ふとした空白が、訪れる。どこまでも続く熱狂というものはない。先日、お酒の席があったが、あとに尾を引かなくなった。晩酌をやめてから7カ月ほどになる。タバコも吸わなくなった。
 憧れるだけだった仕事の片隅に、席を与えられた。


 すべてが好転したのは、彼女と出会ったからかもしれない。もうすぐ出会って一年になる。最初はいろいろな思い出ができたと思っていた。でももう思い出ではない。毎日毎日、どの思い出よりもっと新しいことが起きる。
 もちろん、嬉しい事や楽しい事もあれば、つらくきびしいこともある。しかしそれらすべてに、意味がある。今までずっと、自分の人生は自己満足で終わるのだと思っていた。自己満足でいいなら、
酒やたばこに溺れていればいいのだと思う。言うまでもなくその満足には意味がない、そう思うからあらゆる虚しさは生じてくる。僕は彼女に出会って、自己満足の外側を少しずつ知り始めている。
 自分の閉じた感性の外側の世界に興味が湧いてくる。