小さなこと

 それはそんなに気にしなければならないことか。
 わからない。何か言うべきだと思いながら言葉がつまったような
顔をして私は目線で他人の顔色をうかがってしまう。

 もし、最高にユーモラスでナイスガイなら
そういうことは、求められていたかもしれない。
チャーミングで気の効いたことば、場をなごませる一言を
ポンと置いて、空気を変える力を。

 だがおれにではない。そういう力がないことのほうが
何にもまして悩ましい。なぜなら誰もがそういう力に
恵まれているように見える。あらゆるスキルにもまして
チャーミングさ。