当たりクジの行方

 宝くじが当たったと太郎は言った。
 その時彼は、強烈な不安を覚えたという。
 こんなにうまくいくはずがない、なにか悪いことがおきるかもしれない、と。当たりクジの換金に行く前の晩のことだったが、彼は眠れず先の事を思案した。金を騙しとられるかもしれない、と。
 するとうっかり火にかこまれた。夜遅くについにうとうと、寝たばこしたらしい。当たりクジを思いだしなんとかもって出ようとしたが、ない。そうこうして火の手をどうすることもできず、結局家を失った。だから彼は、居酒屋で飲んだくれてその話をした。
 皆笑っていたが、店を出る頃には真顔だった。場所は聞いた。そこに当たりクジが眠っている。