むかし

 地元の友人の元カノ(京都生まれの関西人)となんど会う約束をしてもその当日になって母親が病気になったと言って来なかった。飲み屋のねーさんが言うには、それは初めから来る気ないんよと言っていた。京都人というのはそういう言い方をする。帰ってほしい時に上がっていけよという。おれはただ騙されてるような気がして、電話口で激怒してそれっきりである。

 今回の彼女は、その話を聞いて自分はそういう優しい嘘はつけないと言っていた。ようするに無下に断って傷つかないように口先だけで了承して、後から急にやむを得ない事情で行けなくなったというのが、彼女らの考える優しい嘘なのだろう。

 でもどうだろう。最後の最後に明らかになったのは、やっぱりみんな口先だけで、優しさの欠片もないんだなってことじゃないだろうか。彼女らは相手を傷つけないようにウソをつくどころか、相手が一番傷つく騙し方をしているだけじゃないか。