別におれだって、何の不満もないわけじゃなかった

 片親で中卒でニート甲状腺咽頭ガン治療の後遺症で仕事にもつけない借金まみれの生活保護受給者を生涯唯一の恋人として両親に紹介したり祖父に紹介したりした。けれど、親せきにも友人にも、自慢できない。家族親戚、みんな立派な家庭を気づいているなかで、それでもおれは、自慢できないなりにも幸せに感じてはいたけれど、それすらもおれには残らない。何も不幸になりたくて彼女を選んだわけではないのに。