小学校の卒業文集か何かの思い出

 クラスの投票で、優しいと思う人のランキングのトップがおれだった。あの頃おれはエニックス出版から出ているスーパーマリオの4コマ漫画に応募したり、なんでかファイナルファンタジー5のバハムートが出てくる漫画をチラシの裏に書いてホチキスで止めたものを友達に見せて、自分が笑って欲しいところじゃないところで大笑いされていた。どうでもいい思い出がいっぱいあるけれど忘れられないのは、なぜかマリオやクッパファイアボールとかではなくドラゴンボールのエネルギー波を撃ち合いながら空中戦をしているときに、エネルギー波の効果音が「ジュンジュン」という俺の頭に響いていた音を言葉にした表現が、なんじゃこりゃってゲラゲラ笑われていたことであった。彼はうちにクロノトリガーかなんかをやりに来ていたが、ゲームに夢中になってトイレを我慢しているうちに、座布団の上で失禁して帰ったことがある男でもあった。だれにも言うなよと言われていたから、誰にも言わないでいた。そのほか、予期せず受けていたのは、ピーチ姫を助けに行く途中にどういうわけかルイージが、なにもないのに土管のなかで倒れ、急に「う、うまれる~」と言って出産が始まるシーンとかだった。おれにとってそれは、面白くもなんともないシーンだったが、読む人にとってはとても耐えられない急展開だったようだ。で、そんなおかしなことをしていたヤツの何がどう優しい人だったのかはおれにも今でも分からない。小山田圭吾氏じゃないけれど、おれだって特別学級の鼻水たれている生徒と自分は違うと思って、いじめはしないものの何か自分も多少おかしいかもしれないが鼻水まではたれていないという気持ちはあったものだったから、むしろ優しくない人だったんじゃないかと思う。